エリート御曹司が過保護すぎるんです。
 何度目かの行為のあと、もう私の体力は限界で、気を失うように眠りに落ちた。

 どれくらい経ったのか。
 夢と現実のあいだを行ったり来たりしているうちに、だんだん意識もはっきりしてきて、昨夜の記憶も蘇ってきた。

 目を開けると、彼が腕枕をしながら、長い指で私の髪の毛を弄んでいるのが見えた。
 私は二階堂さんの広い胸に顔をうずめ、汗の匂いを吸い込む。

「目が覚めた? なんだか無茶しちゃってごめん」

 彼の胸のなかで、私はふるふると首を振った。

 二階堂さんが、両方の腕で私を抱きしめる。
 大好きな人の心臓が、トクントクンと優しい音を奏でている。


 彼は私のまぶたにキスを落とすと、瞳を覗き込んでこう言った。

「桃ちゃん、帰ったらさ、自転車買おうよ。それでその自転車、僕のマンションに置いておかない?」

 それってもしかして、部屋においでってことかな。
 私はゆっくりと彼の背中に手をまわした。

「それじゃ、今度は淳司さんと同じ、赤い自転車にします」
「そうだね。ふたりが恋人同士だって、ちゃんとわかるようにね」

 ふたりで手足を絡めあって、眠りにつく。

 その日私は、彼と並んで海岸線沿いに自転車を走らせる夢を見た。
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