奏でるものは~第3部~
「違う、そんなことはないわ。
今は、いらない。
毎日の生活が崩れるなら、今は、恋愛はいらないの。
傷つくかもしれない恐怖が、優さんを信じる気持ちを越えてしまって、私らしく生活ができないの。
これからも付き合っていくことは、無理。
きっと幸せを感じない。
だから、優さん?…別れよう」
眉を寄せて、困ったような、辛いような表情になっていた。
「………」
沈黙が流れる。
視線を落として、ふぅっと小さく息をついた。