幸せポイント
あたしは2人を見た。


2人とも小さく頷く。


今日のクラスの変化を見て美鈴が怒っていることは明白だった。


その美鈴について行けば、きっと正樹たちだって待っているだろう。


「なに?」


あたしは真っ直ぐに美鈴を見てそう聞いた。


「今から付き合ってほしいところがあるんだけど」


「要件を先に行ってくれない?」


そう聞くと、美鈴は見る見るうちに顔を赤くした。


「つべこべ言わずについて来いよ!!」


突然怒鳴られて、体がビクリと震えた。


美鈴たちはいつもそうだ。


自分たちに従わせるために怒鳴り、暴力をふるう。


そうすることでしか、自分たちについて来てくれる人がいないのだということには、気が付くはずもない。


あたしは小さくため息を吐き出し、「わかった」と、返事をしたのだった。
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