幸せポイント
100ポイント
テンちゃんは目を赤くしてあたしの前に現れた。


ここに来るまでに泣いていたらしい。


目は赤く、腫れぼったい。


鼻もたくさんかんできたのだろう、鼻の頭は赤くなっていた。


せっかくのイケメンが台無しだ。


「どうして泣いてたの?」


少し意地悪な質問だと知りながらそう聞くと、テンちゃんの目にはまた涙が浮かんできた。


「嘘だよ。冗談。ごめんね?」


慌ててそう言いテンちゃんの手を握りしめた。


「俺は、蘭ちゃんと別れるのがつらいよ」


「そうだね。あたしも、テンちゃんと会えなくなるのは寂しいな」


「できたらこれから先もずっと、こうしてスタンプを押しに来たいけれど……」


テンちゃんはそこまで言って、ポイントカードに視線を落とした。


残っている空白は5つだけだ。
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