幸せポイント
難しさ
良い行いって、どういうものなんだろう。


放課後になった時あたしは頭を悩ませていた。


1人教室に残り、机の上に『幸せポイント』を広げて唸り声を上げる。


結局、今日1日の間に良いことなんてなにもできなかった。


いつもより周囲に気を配っていたつもりだったけれど、それで相手が幸せを感じられたかどうかなんて、わかるはずもない。


この『幸せポイント』というのはとっても曖昧で、自分ではポイントが入ったかどうかもわからないのだ。


「そんなの卑怯だよぉ~」


そう呟き、机にグッタリと身を伏せる。


気を配っていたせいですっかり疲れてしまった。


これでポイントがゼロだったなら、もうポイントを貯める気きにもなれないだろう。


「帰ろう」


かといっていつまでも教室に残っているわけにもいかないので、あたしはノソリと立ち上がり歩き出したのだった。
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