幸せポイント
陰口
今日は沢山の金色の光を見る事ができた。


あたしはそれだけでとても満足だった。


友人たちの言葉は正直ショックだったけれど、一か月後には天国に行っているあたしにはもうほとんど関係のないことだった。


放課後になり、帰る準備をしていると美鈴が声をかけて来た。


「ねぇ蘭、今日みんなでカラオケに行くんだけど、どう?」


「カラオケかぁ」


あたしは曖昧な笑顔を浮かべた。


行く気はなかった。


彼女たちの話題に興味はなかったし、『幸せポイント』も沢山集まった。


今日はもう頑張る必要がない。


「嫌ならいいよ」


あたしが返事をする前に美鈴がそう言い、背を向けてしまった。


「あ……」


呼び止めようとして、言葉を切った。


最初から誘いを断るつもりだったのだから、呼び止める必要だってない。


あたしはその場に立ちつくし、美鈴の後ろ姿を見つめていたのだった。
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