そういう、関係
皆とひとしきり飲んでから、駅前で解散した。日付はとっくに変わっていた。
ハヤトの住むマンションまでは、タクシーでワンメーター。

フラフラした足取りで、エレベーターに乗り、数時間前まで過ごしていた部屋の前にたどり着く。
インターフォンを鳴らしても良かったけど、なんとなく、ドアに手が伸びた。
珍しく鍵は掛かっていなかった。

「ただいまー」

パンプスを脱いで部屋に上り込む。

「え!?おい、ちょっ……」

目を疑った。酔っ払い過ぎたのかと。

「……は?誰?」

なんとハヤトが知らない女と、抱き合っていたのだ。ベッドで。裸で。
女は驚きすぎて言葉を失っている。

「何勝手に入ってきてんだよ!」

そしてこの男は今の状況について、言い訳をする素ぶりもみせない。


急に酔いが覚めて、鼻白んだ。
嗅ぎ慣れたはずの、セブンスターの匂いに吐き気すらした。
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