強がり女の唯一の男
「小雪にとって安心できる存在になれたことで満足しようって思ってた、小雪が好きだと思う相手と幸せになれることを応援したいとも思ってたさ・・・でも、小雪と付き合ってるのに浮気するバカ男に小雪を任せるなんて出来ない」
「公平・・・」
私は困ってしまう。
公平とは友達で、素の自分を曝け出せるほどの仲で・・・。
そこに恋愛感情があるなんて思ったことも無くて・・・。
「小雪はまだバカ男が好きなんだろ? 解ってるよ。 だけど、きちんと今後の事を考えてくれ」
「今後?」
「浮気したバカ男と付き合い続けるのかどうか」
「・・・」
「別に、俺と付き合ってほしいって言ってる訳じゃないんだ」
「違うの?」
「小雪が幸せになれる相手と付き合えばいい」
「・・・ありがとう」
無理強いしない公平の言葉。
公平はただ私の幸せを願ってくれている。
それが、本当に嬉しかった。
公平からの告白は驚いたけれけれど、不快な気持ちにはならない。
それが、私と公平の積み重ねて来た信頼関係。
二人で飲んでも、公平は一度として私の身体に触れようとしたことは無い。
酔った勢い。 一夜の過ち。 といった状況になったことだってもちろん無い。
ずっと憧れていたと公平は言った。
だけど、私にその気持ちを微塵も感じさせないで、友達として居続けてくれた。
< 24 / 159 >

この作品をシェア

pagetop