強がり女の唯一の男
中学3年生の時、小雪が女子高を志望すると知り、俺は落ち着かない毎日を過ごした。
そして、何度も小雪に自分と同じ高校に進学しないか?と誘ったのを覚えている。
しかし、小雪は「もう決めてるから。  小さい頃からあの制服に憧れていたし、そこに入学するために勉強だって頑張ってきたんだから」と、言った。
その姿をカッコイイな・・・と思った。
俺よりずっと勉強ができるのは知ってたけど、目標があったのか。
小雪が女子高に進学して俺との関係に変化が生じた。
今まで傍に居て当たり前だった小雪が居ない生活は張り合いが無く、虚しいものだった。
そんな時、小雪に彼氏ができたことを知ってしまう。
男子高の制服をきちんと着こなす真面目そうな爽やか青年。
小雪の家へ入っていくその青年を一目見て、負けた。と思った。
俺よりかなりレベル上の男を小雪は選んだんだな・・・。
そう思うと、なんだか寂しいような、嬉しいような気持だった。

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