強がり女の唯一の男
「人肌が恋しい季節ってあるだろ?」
「え?」
「バレンタインとかクリスマスとか・・・そういう恋人たちのイベントとか・・・」
私は別に人肌恋しいなんて思わないんだけどな。
「うん?」
「そういう日・・・小雪は彼氏と一緒なんだろうな・・・とか思うとさ・・・」
公平が苦笑する。
公平の中で私への想いが強ければ強いほど、一人では居たくなかったということ。
「あとは、小雪から彼氏の話を聞いた後は、ちょっと荒れてたんだ」
「そっか・・・」
「だけど、そんな頻繁にじゃないから。
小雪がバカ男と付き合ってた2年間だけだから・・・そういう、酷い行動取ってたのって・・・」
じゃあ、今もってこと?
「・・・もうしないってことだよね?」
「当たり前だろ!?・・・本当に、俺を信じられるか?」
「信じられるよ」
だからそんな不安そうな顔しないで。
「大丈夫、信じられる。 公平が私を大切にしてくれたこと、絶対に忘れたりしないもん」
「小雪・・・」
「そこまで私を好きだったのに、公平ったら私に触れたりしなかったよね?」
「触れるわけねぇよ! そんな大事な女に簡単に・・・」
私を大切に大切にしてくれた。
「うん、だから信じられる。 公平が私をどれほど好きかってこと。
そして、そこまで想い続けてくれたんだから、もう他の人を抱かないって・・・」
「ああ、信じて欲しい」
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