俺様社長と強引で甘々な結婚

お母さん、お父さん。
どうか何もありませんように。


きっと不安が顔に出ていたのだろう。
社長は路肩に車を停めて、震える私の手をそっと握ってくれた。


「大丈夫か？俺がついててやろうか？」


「あっ、だ、大丈夫です。叔母からの電話が珍しいことで、しかも大事な話だと言われて少し、動揺してるだけなので」


「もし、何かあれば遠慮なく俺を呼べ。どんな時でもすぐに駆けつけてやる。お前はすぐに一人で抱え込むからな。何でも話せ。一人で抱え込むなよ」


社長は「わかったな」と釘を刺すと、さっきとは違う力強い撫で方で、私の頭を撫で、またエンジンを掛けて車を走らせる。


わざわざ、車を停めて言ってくれた一言。



それが、「俺がいるから心配するな！」と言ってくれているようで、少しだけ不安だった気持ちが落ち着かせてくれた。