好きになってはいけない人


授業は終わり 私は先輩を教室で待っていた。


授業終わりに先輩が私の教室まで迎えに来るって約束だったけど

チナツ先輩はなかなか現れない。


「カレーンまた明日ね。」


「うん。またね。」


そんな中 教室内からクラスメイトはどんどん減っていき。


ついにはトラと2人っきりの状態になってしまったのだ。


やばい。嫌だ。


「なぁ。」


後ろからトラが声をかける。

またビクッと肩が跳ねたのが分かる。


「そんな怖がるなよ。」

後ろは振り向かなくても トラが近づいているのが足音で分かる。


今は話したくない。


「私チナツ先輩のとこで待ち合わせしてるんだった!!

トラもあんまりバイト遅れないようにしてよ。

じゃ、私行くから。」


咄嗟にそんな嘘が口から溢れて。


教室を出ようとする。


「おぃ!」


そんなトラの声と同時に。


< 16 / 50 >

この作品をシェア

pagetop