新人をナメめてはイケません![番外編あり]





気分上々!


私の周りはお花が咲いてみえるだろう。




トイレを出てすぐ、私の足は止まった。



お花がサーッと枯れて、今度は雨が降った。土砂降りだ。



顔はみるみる青く、引きつっていくのが分かる。





ななな、なんで!?


女子トイレを出て1歩踏み出した所である人と会ってしまった。



とっても会いたくない、出来れば声も聞きたくない人物に。






「サボって電話ね~」


「え、あ、う……」




やばい。


てか、さっきからそればっかしか言っていない気がする。



もう『やばい』を1日でどれ位使ったかギネスに認定されてしまうんじゃないかってくらい。



汗が、止まらない。


ワイシャツが肌に張りついてるのが分かる。



もう梅雨に入る季節だし、仕方ない湿気だけど、それとはまた違うベタつきだ。






「す、すみませんっ!」


「ま、いいんじゃないの?」


「へ?」


「お前の馬鹿さ加減で友人救えたんだろ?」





何を言ってるのか理解するのに少し時間がかかった。それからボッと顔から湯気が出た。



うそ。
聞かれてたの!?


え、え、え!?






「すみません、どこから……ですか?」


「俺へのディスりらへんから」




ドスっと胸に大きな矢が突き刺さった。




「ごめんなーグリグリして」




ガツーン。そんな音をした大きなタライが頭に降りかかってきた気がした。




は、はは。終わった……。サヨナラ世界。




「ごめんなさい!もう悪口言いませんから!」


「へぇー、悪口ね」


「ち、違います違います!ほ、褒め言葉、です!」




もう頭がぐちゃぐちゃで自分でも何言ってるか分からない。


思いついた言葉をジャンジャン言っていくと部長が思いきり吹き出した。








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