新人をナメめてはイケません![番外編あり]




「大好き」




そう言って鬼口陽人のネクタイを引き寄せてキスをした私。



ただいま、自分の行動にパニック中。





あれ、私なんでこんなに長くキスしてるの?!



いや、違う。



この人が私を離さないように頭を支えられているからだ。




今さっきまで彼は目を見開いて私の思い切りのキスを受けていたはずなのに!



なんでいとも簡単に立場逆転しちゃうの。




「んっ……」



角度を変えてキスされる私。



苦しいはずなのにへんなの。
とても嬉しい。幸せに感じてる。




それは大好きな人とのキスだからなのかもしれないけど。



……くやしいな。
私ばかりドキドキさせられてしまうあたり。





お互いの息が交わりながら、しっかり縮めていく距離。



それは、やっぱり離れていた分、遠回りした分を埋め尽くしているみたいだと思うんだ。






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