僕等のネイロ
電車に長い間揺られていた。


時間がゆっくり、重く流れていく。


もうどれくらい経ったのだろう…。


「案外着いたら翔目覚めてたりしてな」


水城が言った。


「そうだな。アイツの事ならありそう」


葵が言った。


その言葉は、予想じゃなくって希望だってこと、皆分かった。


そうあってほしい。


病室の扉を開けたら笑っている翔が居る…。


そんなシチュエーションを描きながら病院へと向かった。
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