狂愛




「先輩のことが好きなんです」





女の声が響きわたった。



先ほどまでガヤガヤと騒がしかったその場所も途端に静かになる。



昼休みのカフェテリア。



一番多いこの時間帯。



周りにいた生徒たちは、あんぐりと口を開けて驚いていた。



こんな中で告白する勇気にもそうだが、なによりその告白相手にだ。



彼女の顔は特別美人でもなければ、不細工でもない。



要は普通だった。



一方、告白をうけた男は校内でも有名な生徒。



成績優秀。スポーツ万能。ついでにいうと生徒会長もしていて、生徒からも先生からも人望が厚い。



しかし、今まで少しも色恋沙汰の話がなかった。



< 2 / 68 >

この作品をシェア

pagetop