××したいくらい、好き。

「あれれ? どうしたの絆奈ちゃん、固まってるよ」

「いえ、この問題が全く解けなくてどうしようかなあと……って……うああああっ!?」


突然かけられた言葉に無意識に反応した自分自身へと、その言葉の主が突然現れたことに対する驚きで、神聖なる図書室で大声をあげる私。


「あ…っ」


自分で自分の口を押さえ、周りを見渡すが、幸いどなたもいらっしゃらなかった…。

よかった…。

ほっと胸をなで下ろして再び問題と向き合おうとしたとき。

ん?
私今、誰に話しかけられたの…?

恐る恐る、視線をそのまま上げると。


「偶然だね。こんなところでお勉強?」


まさか、もう見たくないと思っていた張本人が、目の前に現れるなんて…!!


「……!!」


驚きのあまり口をぱくぱくと開けていたとき。

かいとくんはにこりと笑って教科書を取り出した。


「僕もここで勉強してもい?」

「……っ」



< 45 / 173 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop