好きですか? いいえ・・・。





気が付いたら0時を回っていた。さすがに眠くなってきた。



「落合くん、そろそろ寝る?」



「ん? ああ、そうだな。寝よっか。」



私は車椅子からベッドに降り、落合くんはカーペットに布団を敷いて布団に入った。



「落合くん、悪いけど電気消してくれる?」



「……財満さん。」



「何?」



「財満さんの目の前に垂れ下がってるのって電気の紐だよね?」



「よくわかったね。」



「『よくわかったね。』じゃなくて、財満さんの方が近いんだから、自分で消しなよ!」



「いや、そうかもしれないけど、私は落合くんに消してもらいたいなって。」



落合くんは「ふぅー。」っと深いため息をついて、布団から出て、私の方に歩み寄って来てくれた。



「しょうがないなあ。」



本当に優しい。でも……。



私は落合くんの目の前で勢いよく紐を引っ張って電気を消した。



「ちょ、ちょっと待って! なんで自分で消しちゃうんだよ! 布団どこだ?」



「おやすみ。」



「『おやすみ。』じゃねーよ!」




< 114 / 204 >

この作品をシェア

pagetop