好きですか? いいえ・・・。
カツカレーを一緒に食べる。





そこまでしてカツカレーが食べたいか、落合くん。



まあ無理もないと思う。あんなに美味しいんだもん。そりゃ食べたいよね。どんな手を使ってでも。



その手というのが、私を利用すること。



私がカツカレーを手に入れた方法は、ただ車椅子を漕いで、券売機の前に行っただけという至ってシンプルで、若干ズルいもの。でも、私は前を並んでいる人に「譲ってくれませんか?」なんて一言も言ってないし、これはこれでいいと思う。



その車椅子を落合くんが押すだけ。その流れで自然に食券を買い、後はカツカレーを持って、保健室に帰るだけ。ただそれだけ。



それだけのために落合くんは、私が自習なのをいいことに、3時間目の授業をサボって、保健室にやってきて、作戦会議をしようと言い出した。




< 45 / 204 >

この作品をシェア

pagetop