後輩なんて本気になりません!


「それでね
陽菜に頼みがあって」


披露宴で友人代表の挨拶をして欲しいと
言うのだ。


「あたしよりほかに頼む人居るでしょ?
あたし口下手だからダメだよ
シラけてしまうよ」


「えー!でもぉ〜」


「マジでマジで!
ほら 結衣が居るじゃん
あの子高校の時演劇部だったって
言ってたじゃん」


「どうしてもダメ?」


「あたしすぐ感情的になって
花嫁姿の彩乃を見たら号泣して
何も話せなくなりそうだから
マジで結衣に頼んで!」


「うーん わかった」


あたしにはそんな大役は無理だから
結衣に頼めと言ったのだった。


「ねっ!
その彼との出会いはどーだったの?
出会って半年付き合って3ヶ月って
すごく気になるわぁ」


「えーっとですねぇ
まずぅ」


彩乃のお父さんと彼が同じ会社で
半年前に飲み会に参加した父親を
いつもなら母親が迎えに行くのだけど
その日はお母さんが出かけてたらしくて
暇な彩乃が迎えに行った。


そこで部下の彼ともう1人の人を
飲み会のお店から駅まで
乗せてあげてそこで初めて話したという。


彩乃がその彼に一目惚れ
それから父に根掘り葉掘り聞いて
父親も相手のことを
気に入ってたから
娘のためにと間に入ったそうだ。



「いいお父さんだね」


「始めはご飯行きませんか?って
誘ったんだけど断られてさ
でも 何回か誘って行くうちに
情がわいたのかな?
誘ったら3回に1回ぐらいは
会ってくれるようになったんだ
そして 3ヶ月前に初めて向こうから
誘われて そういう関係になっちゃって
そのあと 告白されて
付き合うことになったんだ」





< 22 / 87 >

この作品をシェア

pagetop