後輩なんて本気になりません!


「はい どーぞ」
会社の玄関の扉を開けるあけて
あたしを先に通してくれる龍馬。


『レディファーストですか?』
『そーです!お姫様どーぞ』
と 冗談を言いながら入るあたしたち。


その時「あっ!矢口くん」
受付の丸井さんが龍馬を呼んだ。


「あっ!おはようございます」


「昨日はご馳走さま
また行こうね」


「美味しかったですね」


あたしと会う前にこの人と
ご飯を食べたんだね
それから帰ってくつろいでる所に
あたしが電話したのか。


なんかチクチクする
何故だ?あたし龍馬のこと?
ううん 違う違う。


そこに恵が出勤してきた。


「あれ?方向の違う人が
同時に出勤?」


「い・いや ち・違うくて
えっと そこで会ったの」


「そー言うことにしといてあげる!
あとで報告してよね!
や・ぐ・ち・くん!」


恵はわざとらしくいう。


「オッケーでーす!
報告に参りまーす」


本当に朝会社前で会って
2人で出勤したこともあるのに
今日に限ってしつこく言う???
きょどったあたしもあたしだけどさ。


更衣室では尋問が始まった
ーーー昨日自分が会えなかったから
龍馬を呼んだんだねーーー。


龍馬に電話する前に
恵に昨日電話した
話を聞いて欲しくて・・・。



「もー!すごくムカついちゃって
振られたあたしがなんで
友達やめる!とか
結婚式に来ないで!とか
責められるのか意味わかんなくて」


「マジ?複雑だよね」


「だから龍馬に愚痴を
聞いてもらっちゃって
迷惑かけちゃった」


「それだけ?」


「えっ?」


「報告はそれだけ?」


「うん・・・」


「そう?それならさっきの
嫉妬の塊の顔はどう?」


あ・・・見てたの?でも!
あたしそんな顔してないと思うけど。


「昨夜なにがあったのか
あとで矢口に聞こう」


恵はあたしの龍馬に対する態度が
まるっきり違うと言い張る。


変わらないと思うけど???







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