窓の向こう

「ただいまー。」

「おかえりー!澪、ご飯は?」

「会社の人と食べて来たからいらない。」

「そう・・・」

私の名前は澪。
地元の高校を卒業して、この春就職した。
年齢は19才。
何処にでもいる、ごくごく普通の女の子だ。

家族は祖父と祖母、母の四人で住んでいる。

母と祖母とは昔から仲が悪く、今でも会話はあまりない。
この年になって反抗期?と思うけど、気持ちは変えられない。

「澪!おじいちゃんと一緒に御飯食べるぞ。」

「おじいちゃんごめんね、今日は食べて来ちゃったんだ。」

「そうか・・たまには一緒に食べような。」

「うん。」

私の家の中での拠り所は小さい時からおじいちゃんだけだった。
小さい頃から母と祖母に責められても、
おじいちゃんだけはいつも庇ってくれた。

自慢のおじいちゃんだ。

そんな祖父との会話もそこそこに、私は足早に部屋に戻った。


< 2 / 7 >

この作品をシェア

pagetop