バックハグは恋の始まり!?

そんなことを考えていると、いつの間にか私の職場に到着していた。

今の自分の体型に満足してるわけじゃない。

でも痩せなければ、と思えば思うほどに自分の心と行動が不思議と一致しなくなっている気がする。


入社当初は気にしていた私と職場の女性達の差もだんだんと気にならなくなってしまっている。

職場の女性たちは可愛くて華奢なだけじゃなく、とても優しい方達ばかり。

そんなキラキラしている彼女たちもを見て、日々、危機感も感じずに癒されてしまっているというのが私の現状だ。

そんな可愛い女性たちがたくさんいる私の癒しの場であるオフィスは最近ある人物のせいで荒れてしまっている。

荒れているといってもフロアに物が散乱しているわけではなくて、主にオフィスにいる時の私の精神状態に悪影響を及ぼしているということだ。



その人物とは、、

「おはようございます!」


突然、オフィスに響いた元気な挨拶。

そして、元気な挨拶と同時に姿を現した人物こそが最近の私の心を乱している張本人、柴咲 翔(しばさき かける)だ。

彼はこの四月に千葉県の支店から、ここへ移動してきた。

毎日、綺麗にセットされてる黒髪は重すぎず爽やかな印象を与えていて、切れ長の瞳に鼻筋の通った鼻、唇も厚すぎず薄すぎずちょうどいい感じ。

顔のどのパーツを観察しても無駄なところはないんだろうなと思えるくらいに全てのパーツが整っている。

イケメンが多いと言われる我が営業部の中でもダントツで一番かっこいいと彼を見た瞬間に思った。

185cmほどの高身長も影響しているのか、細身のスーツを纏っているその体はとてもスラットして見える。

なので営業補佐の女性たちは彼の細マッチョな所にもときめいてるらしい。


しかし、自分の体型を気にしてる私とって、男性なのにあんなに細いのは反則だ。

そもそも彼は細マッチョじゃなくて、ガリガリなだけだと思うのは私だけなのだろか?

そりゃ、自分で鍛えたりしてるからこその細さなのかもしれないけれど、彼を見てると痩せようとしない自分のダメさが嫌になってくる。

だから、私は彼がちょっと苦手だ。
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