浮気性彼氏さま。












「他の男のものなんて身に付けないでよ」







危うい瞳で私を捉えて。



伊織くんが壊れそうなほど儚い笑みを浮かべる。







ドクンッ






私はこの人にひどいことをされている。





壁に叩きつけられて、傷口噛まれて、さらには無理やり服を脱がされて。




わかってる。






だけどこれが彼の今まで見たことない必死、なのだ。






そう思うだけで彼を許してしまう自分がいる。




何をされても大好きなんだと改めて自覚してしまう自分がいる。







今日の彼は私の彼氏じゃないのに。














< 31 / 86 >

この作品をシェア

pagetop