S級イケメン王子に、甘々に溺愛されています。
「あれがさっき話してた王子だよ。容姿端麗、品行方正。年に一度この学園で行われる祭典での完璧な振る舞いと、幻の称号持ち。ヒィッーー。どんな英才教育受けてきたんだろうね?」
それはそれはレベル99のラスボスにみっちり厳しく育てられて……と、私が知ってるなんて発言は出来るわけもない。
「ほらほら。明里、アレだよ。ブレザーの胸元にあるエンブレムが青薔薇のプリンスの証だよ」
キラリと輝く青い宝石。
あれが……。
「まっ。わたしは王子には興味ないんだけど、こうやって注目されるのは日常茶飯事だから、嫌でも情報を知っちゃうの」
心底興味がなさそうな火神さんに反して、私はうろたえる一方だ。
「星ノ宮家の椿様。お久しぶりでございます。ドイツのヴァイオリン演奏会以来ですね」
教室内にいる執事の方々までもが椿に対して会釈をし、挨拶している状態………。
椿が、こんなにすごい人だったなんて。