夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】

私を連れ去った、元婚約者のアラン様。
あの人が言った言葉の数々が気になる。


”ヴァロンを誘き出すには、お前がいれは充分だからな。”

”ヴァロンにとったら、今更人1人殺してもどうって事ないさ。
…アイツはすでに、人殺し。だからな。”

”…殺してるんだよ、子供の頃に。”…。


……どういう意味、だろう?

詳しい事は分からないが、ヴァロンとアラン様の間に、自分の婚約破棄意外の問題がある事は何となく察した。


ヴァロンが人殺し、なんて信じられない。
でも…。あの時の口調や態度から、アラン様が嘘を付いているようにも思えなくて……。


「…きっと、何か勘違いがあるんだ。」

私にはそうとしか思えなかった。
例えヴァロンに子供の頃の記憶がないとしても、彼は人を殺めるような人じゃない。
人よりも自分が傷付く方を選ぶ、そんな人だから…。
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