夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】

(4)

【アラン別荘/アカリ監禁部屋】

「……懐妊?」

ベッドで診察を受けていた私の診断を、少し離れて場所で聞いていたアラン様は驚いた表情で呟く。
私の元を訪れてくれたお医者様の診立ては、やはり妊娠だった。

ヴァロンと私の二人目の赤ちゃん。
嬉しくて私が笑顔で自分のお腹を優しく摩っていると、その光景を見ていたお医者様は「奥様を大事になさってあげて下さいね?」とアラン様に声を掛け、一礼して部屋を去って行った。

”奥様”。
確かに、この状況ならば私とアラン様が夫婦なのだと勘違いされても仕方ない。


それなのに…。


「!…はぁっ?い、いやっ…違うッ…///!」

さっきまで呆然としていたアラン様はお医者様の言葉にハッと我に返ると、必死に誤解を解こうとしていた。

しかし、その時すでにお医者様は廊下に続く扉を潜っていて…。振り返ったアラン様の弁解の言葉は、バタンッという扉が閉まる音に遮られてしまった。
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