【完】DROP(ドロップ)



だって。



芸能人とかって、雲の上の存在?



そんな感じがして、イマイチよくわかんないんだもん。


そりゃ、かっこいいなーとは思うけど、役柄が変われば好きにもなるし、嫌いにもなる。

バラエティに出て、面白ければ好きにもなる。

だけど、そこまで熱狂的にファンって人はいない。

歌手だって、売れていれば聞くし。

売れていなくても好きな曲はある。



そんな感じ。



「もーう。雫もいないの、好きな人!」



少し考えて、浮かんだのは……



「はい、圭矢君は却下ね」



言う前に、先に言われてしまった。



「え、いや。そんな圭矢君だなんて……」

「あー! そうだ」



バレていた事に恥ずかしくなったあたしが話しているのに、それを無視して大きな声を出す菜摘。


もう、何なのよ。

あたしの話を聞いてよねー。




< 37 / 374 >

この作品をシェア

pagetop