【完】DROP(ドロップ)
「圭矢君、写真撮らせてー!」
対策は考えてある、そう言っていた菜摘だったけどイキナリの直球攻撃。
その一言に、隣にいたあたしの顔は引き攣る。
「……何で?」
そりゃそうだ。
圭矢君が聞き返しながら、菜摘とあたしの目を見た。
苦笑いのあたし。
「写真が欲しいからっ」
って、そのまんま。
「……はぁ」
聞こえるか聞こえないかの溜息を零した圭矢君が、あたしを冷たい目で見下ろした。