ワケありルームシェア


「ごちそうさま。」
「お皿持ってくね。」
「ありがと。」
緋山君はあまり大食いではないみたい。
食べるのもゆっくりで、途中で眠たそうにしていた。
そりゃあ疲れてるよね。
新しく通う学校だったから。

「あ、もう好きな時間に寝てい、」
「この袋って何?」
「ん?」
袋?

「あ!ケーキだ!」
「ケーキ?」
「バイトの先輩がくれたの。緋山君ってケーキ好き?」
「好き、だけど。」
何故か声が小さい。
どうしたんだろう?
でもケーキは好きなんだよね!
「今食べる?明日食べる?」
「今。」
「うん。すぐ準備するね。」


「「いただきます。」」
緋山君がケーキ三つも食べられないということで、私も一個もらえた。
私はチョコレートケーキ。
緋山君がいちごケーキとチーズケーキ。
「おいしいね。」
「うん。」
黙々と食べる緋山君。
「ふふっ、ケーキ好きなんだね。」
すると緋山君の手が止まった。
「変だと思わないの?」
「え、変?」
「男が甘いもの好きだなんて。しかもこの身長のやつが。」
あぁ、さっきはそれを気にして声が小さくなったのかな。
「別に人それぞれだよ。だって私もこの身長で紅茶が好きなんだよ?」
普通だったらもっと背が高くて大人っぽい人が飲むと思うのに。
「そっか。 哀川さんが紅茶ってなんか似合わないね。」
「うん、よく言われるんだ。」

そしてケーキのお陰でまた新しいことを知ることが出来た。
甘いものはすごいんだなぁ。


ルームシェア2日目、終了。
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