ワケありルームシェア
一通り部屋を見渡してみるけど、メガネは見当たらない。
「緋山君、どこら辺に置いたか覚えてる?」
「知らない。」
「そっか。」
いいのかな、勝手に物とか触っても。
「早くしないと学校遅れる。」
「あ!す、すぐ探すね!!」
急がないと学校に間に合わなくなる。
そして、色々見て回るけどなかなか見つからない。

探し始めてから結構な時間が経った。
「ひ、緋山君。もう学校の時間になっちゃった……。」
「どうしよう。」
「ご、ごめんね。私が探し出せなくて……。」
せっかく頼んでくれたのに全然役に立てなかった。
あれだけ探してもないなんて………。
「哀川さんのせいじゃないし。本当にどこにやったんだろう。」
「朝ごはん食べる時間ないね……。パンだけ持ってく?」
「別にいいや。元からそう食べないから。」
「そっか。今日は一緒に行っていい?今から別々に行くと遅れちゃうから……。」
「うん。案内して。」
そして、緋山君の部屋を出てリビングに行く。
するとリビングの机の下に見覚えのあるものがある。
「ひ、緋山君!メガネあったよ!」
「え、嘘。」
「ほら!」
あっ、と緋山君は何かを思い出したように声を上げる。
「昨日の夜、お茶を飲みに行った時に外したんだった。」
なんで外したんだろう…、考える緋山君。
「でも、良かったね。」
「ありがと。」
「うん!」
少しは役に立てたかな?
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