無気力王子とじれ甘同居。








「ねぇ、松下くん」


「……」


うぅ…。


電車の中。


呼びかけても反応しない隣の松下くんを横目で確認する。


寝てるし…。


そんな綺麗な顔で居眠りされちゃうとさ〜。


ほら…。


目の前の女子たち数人が松下くんのことを見てキャッキャと騒いでいる。


すごい隣座るの嫌なんだけど…。


やっぱり…。
服装可愛くしたって、ちょっとメイクがんばったからって…。


松下くんの隣を堂々と歩けるほど美人になるわけじゃないもんね。



『釣り合わない』



そんな言葉が頭をよぎる。



デートじゃない。
そんなことわかってるけど。



「松下くんのバカ」


────ギュッ


っ?!


「へ?!」


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