両想い切符〜ふた駅先の片想い〜

はっきりした気持ち




。.*+:遥人side。.+




何やってんだ俺は。



梨捺から連絡が来て動揺して…。


大切なてんぼちゃんを置いてきてしまった。



走ってる途中、いつもてんぼちゃんの隣にいる、2つ下の香川 智弘に会った



「香川だよな?」



俺が話しかけるとびっくりしたような顔をした




「先輩。
今日は未緒と来たんじゃないんすか?」



「あぁ。でも訳あって一緒に花火、見られなくなった。だから、行ってあげてくれないか?

場所はまっすぐ行って右に曲がったら少し細い道に出る。そこをずっと真っ直ぐだから…」




俺がそう言うと完全に怒っているのが分かる香川。



そりゃそうだよな。


香川はきっと、てんぼちゃんのことが好きだ。それは、見ててなんとなく。男のカンってやつ。



それに、てんぼちゃんももしかすると、好きかもしれない。



近くにいるほど想いを伝えられない辛さを俺は一番理解できる。




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