両想い切符〜ふた駅先の片想い〜

先輩へのお守り





期末テストが終わって、夏休みに入った



でも、うちの学校は夏休みの補習がある。



全員強制で……


そんなの授業と一緒じゃんか!!って思うけど仕方ないか…



補習は8月に入るまで続くからまだあと1.5週間くらいある。




長いけど実際、先輩との帰り道のお陰で言うほど嫌じゃない。




今日はどんな話しよっかなぁ〜



私がルンルンで帰る支度をしてると、




「おい

お前、まだ吉岡先輩と帰ってんの?」




「智弘…」



私がこくりと頷くと智弘は明らかに期限が悪そうな顔をした




「お前。あんまり深く関われば関わるほど、深く傷つくって分かってる??」



智弘は心配そうに私に聞いた



分からないわけじゃない。



先輩と仲良くなればなるほど、その後が辛い




そのくらい、私にだって分かっちゃいるけど。



でも、止められない。



今、先輩と居られる時間を楽しみたい



先輩と一緒に居たい



この気持ちが全然止められない…。




私が答えられずに下を向いてると



「しっかりしろよ…

もう、舞衣だってお前ばっかにかまってやれる状況じゃなくなったし。

それに、舞衣に慰められたら余計辛くなるだろうし。

お前が傷つくとこ、俺は見たくねーから。


俺は言ったからな。」




そう言い残して智弘は帰っていった



そう。舞衣は他校の先輩と付き合い始めたばっかりで、今はラブラブ期で今日も彼氏の家に行くんだって。




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