御曹司の蜜愛は溺れるほど甘い~どうしても、恋だと知りたくない。~

ーーーー・・・・



「サホコ~!」

青い空の下、純白のウェディングドレスを着たゆずが、手を振りながら走って来る。

「ちょっ、ゆず、走っちゃダメだって! ヒールが高いんだから、危ないよ!」

のんびりとあたりを見回していた早穂子は、持っていたシャンパングラスをテーブルの上に置いて、慌てて手を差し出した。

「えへへ~」

ゆずは笑って、そのまま早穂子に飛びつくように抱き着く。

「今日は来てくれてありがとうね!」
「ううん」

早穂子は笑って体を離すと、ゆずと隣に立っている鶴田を見比べる。

「ふたりとも結婚、おめでとう」
「蓮杖さん、来てくれてありがとな」

白いタキシード姿の鶴田は、相変わらずの太陽な笑顔だった。

「お天気が良くてよかったね」

早穂子は少しまぶしいくらいの空を見上げる。

見事な五月晴れで、ガーデンウエディングに絶好の天気だ。

「まぁ、私、すっごく晴れ女だからね。そこは自信があったよ」

ゆずがえっへんと胸を張るのを見て、早穂子はうんうん、と微笑む。

< 233 / 276 >

この作品をシェア

pagetop