イジメ.COM
☆☆☆

ゴールデンウィークが開けて久しぶりに登校してくると、みんな少し日焼けをしていた。


休み気分が抜けきらないクラスメートたちに交じり、仁の様子を確認する。


仁も外に遊びに出ていたのか、日焼けしていた。


休日中にあんなことがあったのに、今までと何も変わった様子がない。


仁は元々そういう人だったんだろうか。


そう思うと、重たいため息が出た。


「どうした?」


あたしがため息を吐き出しているのを見て蓮がそう聞いて来た。


「なんでもないよ」


左右に首を振ると、蓮があたしの前に紙袋を差し出して来た。


「なに、これ」


「休み中に家族で旅行に行ったんだ。これは土産」


差し出された袋を開けてみると、京都名物の八つ橋が入っていた。


好物だけど、このチョイスはどうなの。


それを見てあたしはまたため息を吐き出した。


仁のことはまだ蓮に話していない。
< 61 / 235 >

この作品をシェア

pagetop