最低男子




次の日ー



起きると、紗菜は既に起きていた。



それに、昨日繋いだ手は離れていた。

やはり、紗菜が俺の手に触れてきたのは無意識だったんだろう。





帰りたそうな顔をしていた。



むしろ、早く帰って欲しい。

このままいたら、理性を失いそうだった。




それで、紗菜はまた俺を嫌いになる。




明日からも、バイトで顔を合わせるし…気まずくなるのは勘弁。

このまま、優しくしても…好きになるだけだから、俺は追い出す様に紗菜に言った。







「お前、何時に帰るの?」

『もうすぐ帰るよ』

「ここから駅までわかるでしょ?」

『うん』

「じゃまたな」




と、

言って俺は紗菜を見送る事なく寝たフリをした。




いつまでも、酷い男で申し訳ない。

そんな俺を、許してください。





少し経った後、玄関が閉まった音が聞こえ、俺は「ごめんな」と一言のように呟いた。






< 179 / 370 >

この作品をシェア

pagetop