俺のだ、って言っちゃうよ?
居合わせた


目を開けると、白い天井が見えた。


ざわざわと、少しずつ耳が感覚を取り戻す。


「………ここは………??」


ゆっくりと頭を動かすと、そこにいたのはナオキくんだった。
ベッドに横たわる私の手を取って、突っ伏して寝ているようだった。


「……あれ??私―――」


声に、ピクリと反応して、顔を上げるナオキくん。


「―――あ??目ぇ覚めた??」


「どうして……ここは??」


状況がわからない。
何がどうなっているのか。


「佐那ちゃん、お仕事中に倒れて。一応医務室に運んだんだけど、風邪でしょうって。疲れも溜まってるみたいだから一応病院で診てもらった方がいいって、運んできた。点滴中」


「ああ………」


そうだった。立ち眩みして、そのまま気を失ったんだ。


「……ありがとう」


不意に、おでこの髪を上げられ、顔が近付いた。


「なななっ??!なに!?」


「熱、下がったみたいだね。よかった」


ホッとした顔になる。
動揺するほど、近い。


息が、掛かる。


「……っ、戻らなきゃ、仕事」


そのまま。
流れるように。
唇が、


―――重なった。



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