LIFE

私は今、どんなにつらくても死のうと思う事はなくなった。

ほんの少しも思わなくなった。


それはやっぱり、あの日受けた衝撃よりも、知り合いの死よりも、全てが崩壊したあの3日間の中で助けてくれたあの子のおかげかな。



友達の家のドアに指を挟んで緊急入院した病院で仲良くなったあの子。

退院した後も診察で週1で通院してたから会うことが出来た。


彼女と過ごした時間は11日だけだけど、地獄のどん底にいた私を助けてくれた。

2個歳上の彼女はいつも笑顔で私を支えてくれた。

「私がいるよ、大丈夫だよ」

声は忘れてしまったけど、あの言葉は忘れないよ。



2年前の2月17日。
15歳にして子宮がんで亡くなったあなた。

死ぬのは怖かったかな。
私にはないその恐怖を抱えて、どうやって毎日を生きたんだろう。

朝が来るというそのありふれた奇跡を、毎日感じたんでしょう?

私も、今はその奇跡を感じる事ができるよ。
それはすごく、幸せな事なんだね。

あなたが教えてくれた。



木漏れ日も、流れる水の音も、雨に濡れる事も

空腹を感じる事も、喉の渇きを感じる事も

壊れるくらい泣く事も、狂ったように笑う事も、何も考えられなくなる事も、何も信じられなくなる事も。



何もかも、幸せな事だったんだね。

全部、生きてるからこそ感じる事だらけだったね。



笑う事も、泣く事も、どっちも同じくらい幸せだよ。

この幸せ、あなたに伝えたいな。
「わかる!」って、きっと共感してくれるでしょ?

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