君が思い出になる前に…
「はぁ~?あんたホントおかしいよ!」女子高校生がマジに怒ってるよ…。
「響子、いいからほっときなさい…裕作、疲れてんじゃないの?」
響子?おれの姉さん?どうゆう事なんだよ、一体…。
でもそう言われてみたら、この若いお袋と瓜二つ、まるでコピーだ。
さっき、どこかで見覚えあるって思ったのは、そのせいか?
箸を休める事なくお袋も女子高校生もパクついてる。
「早くご飯食べなさい、テストなんでしょ?」
「う、うん…」
食欲なくなったよ。まったく理解できない。
あ~、頭の中がこんがらがってきたぁ!どうなってんだよ。
これって…、ここって、当たり前の15年前じゃないの?
おれが経験した世界と違うって事?!
頭痛くなってきた。
「ご飯、いい…食欲ない…」
部屋に戻ろう…。
「どうした?裕作、どっか具合悪いの?いつも二杯おかわりする人が…」
若いお袋が部屋に戻るおれの背中に言った。
無言のまま、部屋のドアを閉めた。

ベッドにバタンと倒れ込んだ。天井には中山美穂のポスター。壁にも…。
紛れもなく、15年前のおれの部屋。
だけど居間にいる女子高校生は15年前にはいなかったおれの姉さん…。
本当なのか?
本当におれの姉さんなのか?
確かに、ここに存在してる。

ここは、おれの経験した過去に似てるけど、当たり前の世界じゃないって事なのか?
あっ!
もしかしたら、おれが今日、歴史を変えたから?

< 24 / 200 >

この作品をシェア

pagetop