君から最後の恋文 〜love-letter~


私も走って櫻ちゃんに抱きついた。



「櫻ちゃん………だ」

櫻ちゃんはまだ私のそばにいるんだ。


「うん、俺だよ」


櫻ちゃんはぎゅっと私を抱きしめて言う。


「寒かったろ?」

「うん………
でも櫻ちゃんがいるからもう寒くないよ?」


もう、温かい。




「…うん、寒い時は俺が抱きしめてやる」


櫻ちゃん、今日が最後なんだよ。


泣きそうになるのを堪えて

必死に笑った。




泣いちゃ、ダメだ。

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