君から最後の恋文 〜love-letter~
「帰るか」
俺の言葉に恋文はコクリと頷いて
差し出した俺の右手をそっと握った。
柔らかい君の手のひらが
俺の少しかさついた手のひらをそっと包んで
すごく、暖かい。
「ねぇ、櫻ちゃん?」
恋文は可愛らしい声で俺を呼ぶ。
「……何?」
優しい声でそう聞くと恋文は頬を染めて口を開いた。
「どうして……手紙、書いてくれたの?」
恐る恐る聞いてくる恋文が可愛くて。