君から最後の恋文 〜love-letter~



少しゴンドラが揺れる。



隣の恋文は悲しそうに眉を下げて
潤む瞳で俺を見つめるんだ。


「ぎゅぅってして?」



え。


「……うん」




恋文の華奢な体をぎゅっと抱きしめる。



恋文が離れていかないように。

消えてしまわないように。

確かめるように。



少し体を離すと、恋文は少し俯いて

頬を染める。

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