Holly × Adult
思わず吸い込まれるように一瞬見つめてから、口を動かす


「あの私.....一週間前からこのアパートに住んでいます、畑中柊(はたなかひいらぎ)です。よろしくお願いします!」


「.....ああ.....どうも。親御さんに、よろしくお伝えください」



改めて聞いた彼の声は低く綺麗で

その外見によく似合う


.....けれど今のは聞き捨てならない


「ちっ、違います!一人暮らしなんです.....私、今年から大学生なので」


私がブンブンと首を振ると、彼は短く

「.....え?」

と聞き返す


まさかこんな子供みたいな私が

一人暮らしをしているなんて思わなかったのだろう


「あ.....」


言い返す言葉を探している彼に向かって、私はへへへとはにかんだ


「み.....見えませんよね。それよりお荷物もあるのに引き止めてしまってすみませんでした。お菓子、つまらないものですが貰ってください」


「どうも.....いただきます」


「では、これで」


そう言って私はぺこりと頭を下げ、隣の自分の部屋へと駆け込む



これが、私と彼が


初めて会った日の事だ


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