甘え下手を治すには溺愛を
63.千紗:大人

 ギュッと抱きしめてくれる裕が耳元でささやいた。

「俺、未成年。
 未成年とのお付き合いって大丈夫?
 大人の千紗さん。」

 意地悪な声色にビクッとして、顔を見るといたずらっぽい瞳と目があった。

「不純異性交遊。
 校則でも禁止されてんだよね。」

 そう言いながらチュッと軽くキスをされる。

「ちょ、裕?」

「未成年の俺と、あんなことやこんなことして、千紗が捕まらないか心配。」

 あんなことや、こんなことって……!
 でも、未成年……そうだ、裕は未成年だ。

「俺も心配になって調べたんだよね。
 そしたら真剣交際ならいいんだって。」

「真剣に決まってるよ!
 裕?どうしちゃったの?」

 不安そうな声を上げれば、もう一度抱きしめられた。

「そう?
 なら、俺さぁ。
 もうすぐ誕生日なんだよね。
 千紗から欲しいものたくさんあるんだ。」

 ニッって笑った顔が近づいてきて、唇に噛みつかれた。

 ど、ど、どうなっちゃうの?
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