【対談】桜雛×キャラ
結局、坂下があまりにも嫌がるのでタクシーで向かうことになった。



暖簾をくぐり、カウンターに座る。



それにしても、座面が高いカウンターって座りにくいよな…なんて思いながら、まるでよじ登るようにして座った。



呑む前に少し腹に入れることにし、寿司を3貫程いただく。



赤身はあまり好きじゃないから外して…。



「ウニ・いくら・エビ…で良いよね?」



一応聞いている風に感じられなくもないが、私の場合は強制執行するよって宣言だ。



「私は好き嫌いがありませんので、構いません。」



悪かったな、好き嫌い激しくて…。



それにしても寿司屋っていうのは、何で同じネタを2貫づつ出すのだろう?



アレもコレも楽しみたい人間としては、1貫で充分なのだが…。



坂下に話を振ると、意外な答えが返ってきた。



「こうして、偶然を装って手に触れることができるから…でしょうか?」



寿司を手にしようと伸ばした手に、隣の寿司を取ろうとしていた坂下の手が触れた。



「…で、ホントの理由は?」



「私も存じません。」



「坂下、今までに何人の女を引っ掛けた?」



「言わぬが花…でしょう?」



そう言うと、坂下は寿司を食した。








< 17 / 33 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop