テトラポットの上、ふたりぼっち。

31日





8月に突入し、本格的に委員会も始まった。



「桃子~」


「なんや、寧」


「暑いなあ」


「せやなあ、夏やしなあ」


「終わったらアイス買ってテトラポット行こっさ」


「えー、あっついやん。室内いこさ」


「室内やったら意味ないねん。久々。いいやん、海いこさ」


「暑いゆうても知らんからな」


「やりぃ!!」


「その前にこれ何とかせな…」



海祭の大きなオブジェを任されたあたしたち。


入場ゲートをくぐると見える大きなこれは、海祭の全てと言っても過言でない程人目を惹く。


「寧みたいやな」


「なにがや?」

どうやら考えていたことが声に出ていたらしい。

「なんもない」


「なんやねん、超オモワセブリやん」


「思わせ振り、使い方ちがない?」


「俺の辞書ではあってるんや!」


「あーそーですかっ」



こんなふうにいいあい出来る時間がすき。


こんなふうになんの気兼ねもなく笑っていられる時間が好き。




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