カップほどの小さな幸せだとしても、店長が隣に居てくれるなら。

 でも、今日は早めにマンションを出て別の用事。時間は午前六時。


 夏彦さんの住むマンションの一室をお借りして過ごしてはいるけど、さすがにそろそろ住む場所を考えなくてはならない。
 その相談で、少しだけ友達に会うことになった。


 平日なので、出勤前に会わなくてはならない。夜は時間が取れないみたいだから仕方なく早起きだった。
 電車で二駅ほどだから、六時半前には会えるだろう。



 "朝食作りました。勝手に冷蔵庫の中のものを使ってすみません。よかったら食べてください"



 今から一時間前に起きて朝食を作って食べた。勝手に食材を使って一人だけ食べるのも失礼かと思い、テーブルに夏彦の分も置く。置き手紙を添えて。


 メニューはシンプル。目玉焼きとウィンナー。豆腐、わかめ、長ねぎの味噌汁。


 そこまで作って、炊飯器の中にご飯がないことに気づく大失態。仕方なく食パンを用意した。


 食パンに目玉焼きって意外と合うし、違和感はない。ただ、夏彦さんの口に合うかは不安。
 多分、大丈夫。


 味噌汁だけが合わない気がする。合わなすぎて泣けてくる。スープ作ればよかった。
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