黒桜~サヨナラの前に~

本当の姿




「あのさ、楓君。」



「……はい。」



「あたしは不思議で仕方無いよ。どーやったらこんなに間違うのかな?」



「ヒイィィィ!スミマセーンッ!!」


今日は期末テストの1週間前の放課後。


あたしは図書室でスパルタ気味に楓に勉強を教えてる。


「ねぇ………ちょっと、あれ見てよ。」



「……うわぁ、何であの女があの人達と居るわけぇ!?」



「また媚でも売ったんでしょ。……サイテー。」



テスト前の図書室はいつも勉強に来る人達がいる。



それもそのはず。



うちの学校はテストがモノすごーくっ難しい……はずだった。



しかも、赤点とった人は夏休み中ほとんどが補習。



それに、追試も無し。



だから一発合格しないとかなりつまらない夏休みになる。


だから楓は焦って勉強しているのに。……邪魔しないで。五月蝿いから。



「何でお前らと裏切り者が一緒に居るわけ?」



勉強を教えている途中で聞こえてきた声。







< 92 / 196 >

この作品をシェア

pagetop