【リニューアル】徳永ヤンキーズ!〜キケンな奴らに捕まって!?〜
1★出会いは運の尽き



「はぁっはぁっ……!やばい、遅刻遅刻っ」



徳永学園に編入して三日が経とうとしていたある日。


バスを駆け下りてあの巨大な正門を潜り抜けたとき、すでに予鈴のチャイムが敷地内に響き渡っていた。



ここ数日、通学途中に同じ制服を着た生徒と全然すれ違わないけど……。


ここの生徒って、誰ひとりとして遅刻とかはありえないってこと!?



どんだけ勉強熱心なのよ!

朝からお芝居や楽器の練習とか、はたまたお勉強に励んでるっていうわけ?


私みたいなバカが編入試験通っちゃったのがいまだに信じられないくらいなんですけどっ!!



「な、なあ。放課後、あいつらのところ行くって本気かよ……?」


「あ、当たり前だろ!ぼ、僕はな、2年片想いしてた彼女が矢野にたぶらかされたし、この前は北川に僕の持っていた傘を勝手に使われて、びしょ濡れになったんだ!!か、風邪をひくところだったんだぞ」



私が普通科の校舎に駆け込む途中、よそのクラスの地味な男子生徒たちの穏やかでない会話が聞こえてきた。



長年片想いした女性と傘まで奪われて……。

色々と災難な人……。



って、そんなこと考えてる時間はないんだった。


私はその男子たちを横目に、慌てて教室までの階段を駆け上がって行った。



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